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第3回 『時刻表』



平成22年2月26日 掲載

 もともと私は横着な性格というか怠慢なところがあるのですが、実際にどこに行こうと決めると素早く動きたいという傾向があって、時刻表がパソコンに入ったら、なんてすばらしいんだろう、ということをだいぶ考えていました。
 それでいろいろ相談に行っていたのですが、皆さん理解のある人たちで、やがてそういう時代が来ると思いますという話は結構言ってくれました。ただ、大きい組織は速やかに動くことは厳しいこともあって、理解はしてくれているけれどもなかなか動きそうもないというときに、自分たちで時刻表を入れられないかということを考えた。さすがに各駅停車までは無理ですが、新幹線と特急と飛行機ぐらいだったら頑張ってやれば何とかなるかもしれない。社内でそれを話したら、みんな、そうだ、やろうやろうという話になって、じゃあということで時刻表を手打ちで打っていったんですね。そのときに、ちょうどインターネットがおもしろい動き方をしていたので、経路に関しては、もうインターネット上でも見せてしまおうと。時刻表はパソコン版で見られるようにしながら、最新の時刻表を、パソコンのパッケージを持っている人はインターネットからダウンロードできるようにすればいいのではないか。そのような形でインターネット版と時刻表搭載のパソコン版をほぼ同じ時期、1995年4月に始めていった。これからいろいろな流れが変わってきました。やはり利便性があったわけです。

 パソコン版で本当に会社が食っていけるのかと思いましたが、思った以上にマーケットが回り始めてきた。それでいろいろなところも、時刻表のデータを販売していこうというスタンスに変わっていく。ただ、時刻表データを販売するときには、もちろんどこに対しても対等な条件で時刻表まで出すということを言ってくれたので、せっかく新幹線、特急、飛行機の入力の部隊ができてきたので、私鉄まで広げようかと。それで私鉄まで広げた。
 東京デジタルホンというのは、今のソフトバンク、前のボーダフォン、その前のJ-フォンですが、じつはJ-フォンのほうがインターネットでのコンテンツサービスはドコモより早かった。ただ、番組という概念を持って自分たちがセレクトしたものを載せていくという発想だったので、i-modeが「だれでも」という形で始めたものに結果的には負けていく。携帯電話のほうで各駅まで載せますという話になってくれて、では我々もパソコンのパッケージで全部の時刻表を載せようということで始まっていった。各駅のところまで時刻表が入ったところで圧倒的に使い方の利便性ができた。
 正直言うと乗換案内は、その辺までは我々もほとんど専任者のいないプロジェクトでした。いろいろな仕事をやりながらみんなで複数のプロジェクトを持とうという感じでやっていた時代で、さすがに各駅まで広げていくという状態まで行ったときには、相当本腰を入れて商売をやっていかなくてはならないということもあって、なかなか兼任、兼務みたいな形では難しくなってきました。
 時刻表を入れたあたりから、どちらかというと携帯電話の動きが急になっていくわけですが、とにかくプラットフォームを拡大していこう。どこの端末にも載せてサービスを提供していく、そんな形でやっていった。そのときに私が考えたのは、我々の乗換案内の先のモデルというのは、切符を売ってそこから手数料のようなものが若干得られる世界をねらっていきたいということで、バナーを載せながら携帯電話で無料サービスを始めていきました。ただ、バナーの収入だけでは少ししんどいところもあったので、有料の高機能版をつくろうということで「乗換案内NEXT」サービスを始めて、これが今の我々の一番の収益源になってきています。

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